入社の動機

「喜びを創り喜びを提供する」。自分の考えていたことがそこに書いてあった

「喜びを創り喜びを提供する」。自分の考えていたことがそこに書いてあった

前職は行列のできるシュークリーム屋さんで店長をしていました。学生時代からお菓子が大好きで、彼女が部屋に来た時とかも、オーブンでお菓子を焼いて出したりしていましたね。お菓子って食べると幸せな気持ちになるし、自分がつくったもので人を幸せにできたら、とても嬉しい。だから転職を考えた時にシュクレイの経営理念「喜びを創り喜びを提供する」を読んだ時はとても驚きました。だって自分の考えていたことが、そのままそこに書いてあるんですから。
 
期待に満ちて入社すると、大坪マネージャーが店舗を案内して下さいました。2日間にわけて東京駅4店舗、羽田空港4店舗です。移動の途中で大坪マネージャーが「楽しく取り組むのがうちの基本だからね!」とおっしゃいながら、見せてくれたのが私たちの経営バイブル“こづち”の1ページでした。「誰でも幼い頃、周りが暗くなるのを忘れて遊びに熱中したことがあるものです」という言葉から始まるその「楽しく取り組む」というページには、楽しむことで集中力や発想力が増し、解決策やアイデアが湧き上がるものだ、ということが書かれていました。
 
実際にお店をまわると、スタッフがとても楽しそう。大坪マネージャーも各店舗のスタッフに好かれていて、その都度、本当に楽しそうな光景が広がるんです。経営理念がうわべだけの会社は世の中にいっぱいあるものですが、シュクレイは違う。まったく違う。8店舗中8店舗でその光景をみて、「これは本物だ」と思いました。

出来事

店長就任後、最大の危機。東京駅耐震改修工事での店舗移転

店長就任後、最大の危機。東京駅耐震改修工事での店舗移転

入社後、約半年が経過して「ザ・メープルマニア」の店長を任されました。店長就任後、最大の危機は東京駅耐震改修工事。この工事によって私たちのお店は1階から地下1階へと移動することになりました。お店にとって立地というのは売上の重要なファクターなのです。
 
対前年比6割減を覚悟で臨んだ移転先での営業。初月7月は対前年比4割減の60%。8月74%、9月73%、10月96%、そして11月ついに対前年比108%で前年の売上を上回りました。現在もその売上水準は維持されており、11店舗あるフロアの実に4分の1の売上が私たち「ザ・メープルマニア」の売上です。
 
私たちの経営バイブル“こづち”には「逆境こそチャンス」という項目があります。「逆境に遭遇し、“もう後がない”という時、困った時にこそ、プラスに捉えさえすれば、創意工夫するための知恵を搾り出し、新しいアイデアを生んでいくことができる」。
 
入社時、最初に学んだ「楽しむこと」。そして「逆境こそチャンス」。この2つの教えを胸に約半年間、様々なアイデアを考えました。売上が芳しくない時でも「この売場だから、しょうがない」ではなく、「まだ何かできるはず」という思考を楽しみ、辿り着いた答え。
 
あきらめず、楽しみ、考えれば、必ず答えはみつかる。東京駅耐震改修工事での移転はそれを、身をもって学んだ出来事です。

東京駅でエンターテインメント=“メープル坊や”大作戦

東京駅でエンターテインメント=“メープル坊や”大作戦

そもそもの課題は通路からお店が見えないこと。「ザ・メープルマニア」は時間帯によっては行列ができるほどのお店です。シュクレイのお菓子がすべてそうであるように、味には絶対的な自信がある。試食さえしていただければ、ほぼ買っていただけます。
 
そこで考えたのが「ザ・メープルマニア」のパッケージにも描かれている“メープル坊や”の人型看板。文字や商品名はデザインに載せず、キャラクターのみの看板です。これをスタッフが高々と手で持ち上げて、スポットライトにかざして動きます。すると、どうでしょう。東京駅の通路からみても、スポットライトを浴びた“メープル坊や”が右に左に動いている。間違いなく目立ちます。
 
通路から看板を目指してお客様がやって来る。すると、“メープル坊や”と同じ格好をした制服のスタッフがお客様をお迎えする。そして試食。商品のお買い上げだけではなく、スタッフと一緒に記念写真を撮るお客様も。
 
ちょうどテーマパークなどでキャラクターを目指して人が集まるのと同じ原理です。「舞台は東京駅ですが、エンターテインメントでもいいじゃないですか」。そんな発想。
 
これが耐震改修工事での店舗移転という逆境を乗り切った私たちの答えでした。みんなが考え、楽しみ、一丸となって取り組んだ結果。まさにシュクレイらしいエピソードのひとつだと思います。

ルーツ

休む時にしっかり休む。だから、考える時にいい発想も生まれる

普段から街を歩いていても、人目を惹くものが気になってしまいます。何で人目を惹くのかなって考える。もともと創意工夫とか、考えることが好きなんだと思います。
 
接客のルーツは高校時代から大学4年間やっていたコンビニのアルバイト。お客様に気持ちよく、お買い物をしてもらうために学生なりにいろいろ考えました。夜勤で売場の裏にいても、お客様がレジにいらっしゃれば「お待たせしました!」って、ちょっと大袈裟に走って“急いで来ました感”をアピールしたり、キャンペーンのくじなんかも盛り上げたりして。そんな風に接客していると常連のお客様が気さくに話しかけてくれたりします。人生相談まで受けたことがありますよ。
 
まあ、原動力は“好かれたい”って気持ちですよね。特に女性のお客様に(笑)。学生ですからね。でもそのお陰で接客については、ずいぶん考え、勉強したと思っています。
 
仕事モードの時はいつも頭をフル回転させていますが、休む時はしっかり休みます。休みモードの時は、もう何にも考えていないです。お酒飲んでいるか、最近ではスーパー銭湯にハマったりして(笑)。
 
でも休む時にしっかり休むから、考える時にいい発想も生まれるんじゃないですかね。幸いシュクレイは、販売職でもしっかり休める。「平均残業時間が月12時間弱」って販売職ではよくないですか。やっぱりお酒飲む時間は欲しいですよね。

休む時にしっかり休む。だから、考える時にいい発想も生まれる

その後の私-昨日より今日、今日より明日

今では合併の時の様々な課題も笑って話せる昔話。
「楽しく取り組む」は風土の違いをも超越します

マネージャーに昇進しました!

◆マネージャーに昇進しました!

2014年の中途入社から店長を経て3年後の2017年に統括リーダー、2021年にマネージャーへと昇進しました。この8年間を振り返って思い出深いのは、ちょうど私が統括リーダーになったシュクレイとフランセの合併の時のことです。
2つの会社がひとつになる。それは2つの風土がひとつになることでもあります。長い歴史の中で蓄積された風土が合流する時には様々な課題が波のように持ち上がる。まずそこに徹底的に向き合うことが統括リーダー最初の仕事でした。
何よりも双方のコミュニケーションが重要。会食も増えましたし、統括リーダーは自分の担当する店舗のスタッフ、アルバイトスタッフも含めた全員と面談を行いました。私の場合、5店舗ですね。想像どおり、合併の不安ややり方の違いなど、面談しなければわからなかったことをたくさん聴くことができ、最終的にひとつの方向を向くための大きな力となりました。
あの時の統括リーダーみんなの一体感も思い出深いですね。「“統括キャラバン”で、店舗に応援に入ろう!」と統括リーダー同士で盛り上がり、様々な企画を立てました。企画の最も大切な意図は、「楽しく取り組む」を我々が身をもって示すこと。いつもの超試食販売ではなく、味ごとにシールを貼れるボードを作成して、お客様に複数の味を試食していただき、一番美味しかった味の枠内にシールを貼っていただくなど、テレビ番組の街頭レポみたいなこともやりました。
今では合併の時の様々な課題も笑って話せる昔話です。でも、思い返して考えるのは「楽しく取り組む」ことは風土の違いをも超越するということ。私が入社直後、大坪マネージャー(現取締役)から移動中に初めて聴いた「楽しく取り組むのがうちの基本だからね!」は私の中でも、シュクレイの風土でも、今も脈々と息づいています。

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