生い立ち・こだわり

生い立ち・こだわり

大正元年創業の老舗和菓子店「ちとせ」を再生する

大正元年創業の「ちとせ」は宮内庁御用達の老舗和菓子店でした。しかしバブル崩壊のあおりを受けて平成10年3月に倒産、廃業に追い込まれました。私たちはこの老舗和菓子店の再生を目指し、再建を図りました。通常のM&A(企業買収)では多くの場合、人件費削減のために希望退職者を募ります。でも私たちが行ったことはその逆。倒産で解雇された職人さん、営業マンに声を掛け、戻って来ていただきました。素晴らしい技術と、仕事への熱い姿勢を持った人たち。その人たちの働きの場、活躍の場をつくり、長い年月の間に培われた技術、ノウハウ、お客様の信頼を再び磨き上げることが私たちの役割だと考えたからです。そういう意味で私たちのM&Aは「再生をサポートするM&A」でした。

新しい看板商品「天ぷらせんべい」誕生

新しい看板商品「天ぷらせんべい」誕生

宮内庁御用達を記念して創られた伝統の商品「東京大納言」は残し、再生を目指した新しい商品開発をスタートさせました。老舗和菓子から創作和菓子へ。試行錯誤を繰り返し、生菓子から焼き菓子へ、そしてフィナンシェ等の和洋折衷へ。そんな試行錯誤の末に辿り着いたのが現在の看板商品「天ぷらせんべい」です。それまで焼き菓子として販売していた「ちとせん」を進化させた「天ぷらせんべい」は、せんべいを揚げる前の生地を熟成させ、旨みを閉じ込めて揚げるという新趣向。天ぷらのようなサクっとした食感と、深い旨みを楽しめる商品です。多くの皆様にご支持をいただき、現在は「のり天せんべい」と「泥付きごぼう天せんべい」も仲間入り。好評をいただいております。

歴史・エピソード

商品は自分たちだけのものではない。商品を愛して下さるお客様のものでもある

商品は自分たちだけのものではない。
商品を愛して下さるお客様のものでもある

販売部 販売課 統括リーダー
松本 岬

2003年の入社から築地ちとせのお店には、築地本店、新宿、東京駅と、ほとんどのお店に立ちました。入社したての頃は1個1個職人さんが手でつくる「上生菓子」もありましたね。その後、桜ミルク餡も印象的な大福「春摘みいちご」やパイ生地を使った「栗ぼうし」などの「創作和菓子」を経て、今も売れ筋の餡子を練り込んだフィナンシェ「鯛安吉日」に発展。和洋折衷の商品へと変わっていきました。今までと違う商品を扱うのは私たちも楽しかったですし、お客様も変化に富んだ商品を楽しんで下さいました。有楽町ルミネへの出店を期に「若い方にも食べていただこう」と、「抹茶小倉クッキー」や「フルーツかりんとう」「ベジタブルかりんとう」が登場。そして東京駅のJPタワーへの出店で「新しいジャンルをつくろう」ということになり、「お料理菓子」というジャンルが開発されました。築地は“東京の台所”という発想からの試みです。その時に出来たのが現在の看板商品である「天ぷらせんべい」です。
 
築地ちとせは、大正元年創業の老舗和菓子店。宮内庁御用達を記念して創られた伝統の商品「東京大納言」には、長く長く愛して下さっているお客様がたくさんいらっしゃいます。特に築地本店にいた頃は、日本舞踊の先生や茶道の先生、市場の方、ご近所の大手広告代理店の方などが通って下さり、「東京大納言」はNo.1商品でした。現在、築地本店はもうないのですが当時のお客様が本社宛てにお電話を下さいます。先日も当時のお客様からご発注があり、その時お電話を取ったのが元・築地本店の店長でした。「お久しぶりね。元気?」という会話のあとに「松本さんはどうしているの?」とお話があったとのこと。嬉しいのと同時に、「大切にして下さるお客様があって今がある」ということを痛感しました。商品・会社の歴史は自分たちだけでつくっているわけではない。お客様とともにつくっているんだ。だから商品は決して自分たちだけのものではない。商品は長く長く愛して下さるお客様のものでもあるんです。

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