入社の動機

お菓子には食べる人の気持ちやその場の空気をつくる力がある

お菓子には食べる人の気持ちやその場の空気をつくる力がある

就職活動では販売系の仕事を探して受けていました。“ものをつくる”ことが大好きで、大学も文学部美術科。雑貨や手芸、それに画材、ホームセンターなども受けました。考えられる限りの“ものづくり”に関わる販売系の会社を受けていましたね。その数は数えきれないくらい。
 
やっぱり「自分が好きなものを売りたい」という気持ちが強かった。好きなものでなければ、自信を持って売れないですからね。そんな中、お菓子メーカーで受けたのはシュクレイだけ。では、なぜ本流である“ものづくり”系販売ではなく、シュクレイだったのか。
 
何かここだけ圧倒的に変わっていたんですよね。面接でも「隣の人をほめてください」とか、会場を出る時に一人ひとりと握手をしてくれたりとか。一次、二次と選考が進む間も顔を覚えてくれていて、学生一人ひとりをみてくれていることがよくわかりました。学生だって、たくさんいるのにすごいなって、こういうのいいなって思いました。
 
会社の風土に惹かれたわけですが、それをきっかけにお菓子についても考えるようになりました。お菓子は好きだし、甘いお菓子を食べると幸せになる。考えてみればお菓子だって、それを食べる人の気持ちをつくっている。みんなで食べれば、その場の空気も幸せになる。お菓子には、食べる人の気持ちやその場の空気をつくる力があるんだ。
 
シュクレイの人と人のつながりを大事にする風土に触れて、そんな思考に辿り着きました。その時点でもう一切の迷いはなく、シュクレイに決めました。

出来事

ブランドを育てる。“手のかかった子”ほど、愛おしくなるものです

ブランドを育てる。“手のかかった子”ほど、愛おしくなるものです

私は、ほぼすべてのブランドの立ち上げに関わってきました。ブランドを育てるのって、たぶん子供を育てるみたいな感じじゃないですかね。ハイハイしていたのが両足で立って、しつけをしながら見守り、そしてやがて自立していく。子供の成長を陰で支える母親みたいな…。まだ実生活で母親にはなったことはありませんけどね(笑)。
 
会社から与えられるのは、商品とブランドイメージ・世界観、ロゴ。それくらいです。「あとは、好きに、自由に行動せよ!」と。パッケージや包装やディスプレイ、詰め合わせのバリエーション…etc. それらを走りながら考える。
 
こんなこともありました。デベロッパーさんから「この立地はサラリーマンの方が多いです」とお聞きしていて、オープンしてみたら観光客のお客様がほとんど。でも確かに時間帯によってはサラリーマンの方も多く通る。だから1日にディスプレイを複数回変えるんです。包装や詰め合わせも観光客のお客様とサラリーマンのお客様では用途も違うので異なります。それぞれのお客様のニーズにあった仕組みをつくる必要がありました。
 
そうやって“手のかかった子”ほど愛おしくなるもので、それがブランドを育てる楽しみでもあります。接客はもちろん大好き。でもこういった企画まで楽しめる販売職って、あまりないんじゃないですかね。私みたいに“接客”と“ものづくり”が好きな人にとっては、相当楽しめる仕事だと思いますよ。

コツコツやっていくこと。一人ひとりのお客様との会話・関係を大切に

コツコツやっていくこと。一人ひとりのお客様との会話・関係を大切に

現在私が任されているのは「コートクール ルミネ立川店」。シュクレイのお店のその多くが東京駅や羽田空港などにある中、立川という立地はちょっと異色です。東京駅などは、やはり急いでいるお客様が多いのですが、立川は子連れのお母さんとか、散歩がてらのお婆ちゃんとか、比較的時間をゆっくり過ごされている方が多いんです。だから地域に根差した接客が大切であると考えています。
 
「自分がしてもらって、嬉しいと思うことをしてあげてね」。これは私の新人時代に、先輩が私に教えてくれた言葉。今でも私はスタッフにその言葉を伝えています。スタッフたちはそれを実践してくれていて、接客に留まらず、ごみを拾ったり、道に迷っている人を助けたり。本当にうちのお店は道に迷っている人を助けることが多い(笑)。
 
でもそんな風にコツコツやっていくことが大切。一人ひとりのお客様との会話・関係を大切にしていく。その種は時間を掛けて花をひらきます。お客様も、未来のお客様も、みんな私たちをみています。1回でも押し売りなんてしたら、もうその先はありません。自分たちが“いいと思うこと”を信じてやり続けるだけ。それが目の前の売上ではなく、永続的売上につながるはずです。
 
立川に来て3か月が経ちましたが、リピーターのお客様がどんどん増えています。
自分たちが“正しい”と信じることを“胸を張って”実践する。コツコツとそれを積み重ねた結果が訪れてくださるお客様の数に表れているのだと思います。

15年間、毎日欠かさず弾いたピアノ。あの日の演奏を忘れない

ルーツ

15年間、毎日欠かさず弾いたピアノ。あの日の演奏を忘れない

小学2年から大学4年までの15年間、ずっとピアノを習っていました。先生に音大も勧められましたが、ピアノには自信があったので、それ以外のものを身につけたいと思って文学部美術科に進学したんです。
 
「人の気持ちを変えられるもの」に惹かれる。「人の気持ちを変えられるもの」を習得して、誰かを喜ばせたい。それがたぶん私のモチベーションなんだと思います。でも習得するって、そんなに簡単なことではありません。あせらず、コツコツやって、いつか結果が出る。そこには長い長い時間が必要。それを、ピアノを通して学びました。
 
最後のピアノの発表会では、先生や両親、自分を支えてくれた人たちに感謝の気持ちを込めて、人生で一番心を込めた演奏を贈りました。曲目はショパンの「幻想即興曲」。先生に舞台袖から送り出され、ステージへ。緊張しそうだったので、客席は見ないように演奏を始めました。最後の和音を弾き終え、お辞儀をして客席の両親をみると、笑顔で拍手を送ってくれているふたり。舞台袖に帰ると先生が抱きしめてくれて…。
 
これで卒業なんだ…。そう思ったら涙があふれてきました。15年間、毎日毎日弾いたピアノ。高校受験の時も、大学受験の時も、就職活動の時も、練習を欠かさなかった。長い長い時間を掛けて習得した、自分にとって過去最高の演奏。それを大切な人たちに最後に贈ることができました。
 
接客も、ブランドを育てることも、同じように長い時間は掛かります。でも、自分を信じてコツコツやっていく。その誓いはあの日の演奏のように必ず結果に結びつくはずです。

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